廃病院での出来事

栃木県 会社員 橋本 英治(39)(仮名) 今から20年近く前の話です。 友人A、B、Cと私の4人で、肝試しに行くことになりました。 この4人はいつもつるんでいる、悪友グループです。 行き先は、車で20分ほど走った先の、地元で有名な廃病院でした。 実は、私はそこへ行くのが3回目だったので、あまり気が進みませんでしたが、見渡す限りの山と田畑に囲まれたド田舎に住む、女っ気もない私達にとって、そこは格好の遊び場で、他に行く場所も […]

憑いて来ちゃった

東京都 学生 臼井 磨美(17)(仮名) 当時、私は父と母、6つ離れた弟と4人で、都内のマンションに住んでいました。 私が中学2年生になった頃、家が手狭になったということで、今のマンションから歩いて10分ほどの所に、新築で一軒家を建てて、そこに引っ越すことになりました。 それまで、私は弟と一緒の部屋だったので、引っ越したら自分専用の部屋ができることが何よりも嬉しく、引っ越しの日を指折り数えていました。 ある日、父と母が神妙 […]

白い布

神奈川県 会社員 高橋 亮太(31)(仮名) これは、今から10年ほど前の話です。 当時、学生だった私は、高い時給に惹かれ、葬儀場でアルバイトをしていました。 葬儀場のバイトと言っても、私の仕事は机や椅子の用意など、主に会場のセッティングだけでしたので、直接ご遺体を見たり、関わったりすることはありませんでした。 その日、最後の式が終わり、片付けを済ませた後、帰路についたのは夜10時を回った頃でした。 家に着き、台所へ向かう […]

ひとりかくれんぼ

福井県 会社員 伊藤 俊(34)(仮名) これは、今から10年以上前の話です。 当時、車の免許を取ったばかりの私は、週末になると、その頃付き合っていた彼女とドライブに行くのが習慣でした。 初めのうちは、夏場なら海に行ったり、それ以外の季節にはいわゆる観光名所に行っていましたが、次第にネタも尽き、いつの頃からか、雑誌やネットで探してきた心霊スポットに通うようになりました。 ただ、日帰りだと行ける範囲もある程度限られているので […]

ハッピーハロウィーン

東京都 大学生 青木康夫(20)(仮名) サークルの友人5人と仮装して繰り出した渋谷での話です。 楽しげにはしゃぐ人混みの向こうに、ひとりポツンと佇む女性がいました。 行き交う人並みの合間に見える、薄汚れた白っぽい、季節感のない半袖のワンピース姿は、かなり異様な雰囲気でした。 顔の前にだらりと垂らした長い黒髪で、その表情を見ることはできませんでしたが、足元は何も履かず、裸足のように見えました。 ただ塗っただけ、被っただけ、 […]

もう一度

石川県 会社員 宍戸篤史(34)(仮名) 残業終わりのその日、間もなく迎える本格的な冬を前に、時折吹く冷たい風に身震いしながら、私は一人、しんと静まり返った駅のホームで電車を待っていました。 向かい側の下りホームには、私から見て右側に10人ほどの乗客がいました。 スマホの画面に目を落とし、電車の到着を待っていると、下りホームから、荒々しい男性の声と、それに混じって悲鳴のような女性の声が聞こえました。 私はケンカでも始まった […]

上下に挟まれた話

茨城県 会社員 金城達也(24)(仮名) 以前、俺が住んでいたマンションは、上の階と下の階から、毎日のように男女が言い争う声が聞こえてくる部屋だった。 建物の構造上、下からの声や物音は軽減されるので、多少は我慢もできるが、上からの騒音や怒鳴り声は、ちょっと厳しい。 昨日は土曜日で仕事が休みだったが、朝っぱらから上の階の言い争う声で起こされてしまった。 せっかくの休日に安眠を妨害され、虫の居所が悪かった俺は、マンションを管理 […]

知らない歌

石川県 会社員 石井香織(29)(仮名) それは、今から3年ほど前の出来事です。 私は3歳の息子を持つ、シングルマザーです。 離婚の原因はさておき、子供との生活を少しでも安定させるため、私は離婚後すぐに県営住宅への入居を申請しました。 ちょうどその頃、同じ市内で大規模な県営アパートが完成し、母子家庭の優遇措置があったおかげで、幸運にもすぐに入居することができました。 元々その土地は小学校の跡地で、戦前から続いてきた歴史ある […]

怖い夢の話

M県 大学院生 結城美穂(22)(仮名) 当時、中学2年生で卒業準備委員だった私は、3年生の卒業式を翌週に控え、その準備に忙しい日々を送っていました。 お世話になった先輩たちに、少しでも喜んでもらえるよう、朝は早目に登校して、夕方は暗くなるまで頑張っていました。 連日の作業で疲れが溜まっていたのでしょうか、卒業式本番の5日前の日曜の夜、とてもリアルで、恐ろしい夢を見ました。 夢の中の私は、いつものように卒業式の準備のため、 […]

黒狐の面

岡山県 農業 内藤裕美(36)(仮名) 私が農業を営む主人の元に嫁いだのは、今から8年前のことです。 主人は古くから続く農家の3代目で、私とは同じ小学校からの同級生でした。 結婚を機に、主人の両親と祖父母が暮らす母屋の隣に新居を構え、その後2人の子供にも恵まれ、仕事と子育てに忙殺されながらも、幸せな毎日を送っていました。 大きな母屋の裏手には、かなり古く大きな蔵があります。 蔵の中には古い農機具などが少し置かれているだけで […]