御嶽(うたき)

沖縄県 無職 大城 優子(29)(仮名) この話をあまり詳しく話すと、話した人はもちろん、聞いた人にも障(さわ)りがあると言うので、ざっくりとお話します。 私が住んでいた島の小中学校は、全校生徒を合わせても15名ほどの、小さくてのどかな学校でした。 当時、私と同学年の子は6人で、他の学年に比べると、多い方でした。 中学3年生になる少し前、女子のAさんが一人、内地へ引っ越して行ったので、残った同級生は男子が4人と、女子は私1人の全部で5人になりました。 みんなとても仲良しで、まるで家族か兄弟のような存在です。 中学校生活も残り1ヶ月ちょっとに迫ったある日、 […]

知らない女

神奈川県 会社員 小堀 康平(26)(仮名) 今の彼女と出会ったのは、まだ元カノとの縁が完全には切れていない頃でした。 その頃、私の気持ちは何ヶ月も前に、完全に元カノから離れていて、電話やメールも全て無視することで、自分の気持ちを伝えたつもりでいました。 「このまま放っておけば、いずれあきらめるだろう」 私はそんな風に、高を括っていたのです。 ちょうどそんな時に出会った今の彼女は看護師で、私が友人と呑みに行った時、たまたま隣の席にいたことで知り合い、あっという間に意気投合して、その日の内に付き合うことになりました。 何度かデートを重ねたある日、彼女が私の […]

新しい能力

大阪府 会社員 大畑 遵憲(35)(仮名) 私の家の家族は、全員霊感があります。 父にも母にも、姉にも皆霊感があり、それは両親とも、先祖代々、ずっと受け継がれてきたのだそうです。 そのおかげで、行ってはいけない場所や、これから起きる事故などから身を守ることができたり、知人の病気が進行する前にアドバイスをしてあげたりできるので、割とありがたい能力だと思っていましたが、その反面、とても不便なこともあるのです。 霊感が強い人は、バイクや車の免許が取れません。 なぜなら運転中、突然霊が飛び出して来ても、生きている人との区別が付かず、周りから見れば何も無いところで […]

不良をやめた原因

埼玉県 会社員 中山 大毅(36)(仮名) それは私が中学2年生の夏休みのことでした。 自分で言うのもはばかられるのですが、その頃、反抗期真っ只中だった私は、地域でも悪名高い不良グループに属していました。 今思えば両親が離婚して、生活を支えるために懸命に働く母親が不在がちだったことの寂しさを、友人たちと一緒になって悪さをすることで、紛らわそうとしていたのかも知れません。 いつもの様に、真夜中過ぎに友人と街のはずれをふらふらと、あてもなく歩いている時、道の傍らにあるお地蔵さんが目につきました。 その頃、何にでもイラついていた私は、あろうことかそのお地蔵さん […]

俺じゃない!!

大阪府 会社員 清水 勝(29)(仮名) 今考えれば、全てが勘違いというか、若気の至りでした。 瀬戸内のド田舎から、一発当ててやろうと叶うはずもない夢を見て、都会のホストクラブの門を叩いたのは、今から10年ほど前のことでした。 後先考えず、家出同然で実家を飛び出してきた私は、お金もなく、もちろん住む場所もなく、しばらくの間ホームレス同然の暮らしをしていました。 そんな時、ダメ元で飛び込んだホストクラブで運良く採用が決まると、当時、その店のNo.2だったS先輩が私の窮状を聞き、S先輩の部屋を家具家電付きで貸してくれると言ってくれました。 いわゆる又貸しって […]

影踏み

神奈川県 アルバイト 大前 慎吾(25)(仮名) 昨年の秋のことです。 その頃、俺は交通警備のアルバイトをしていました。 工事中の道路で赤い棒ライトを振って、歩行者を誘導する仕事です。 天候に左右される仕事ですが、休憩も多く、楽な仕事なので、週6で働いていました。 その日は朝から夕方までのシフトで、連日の雨も上がり、気持ちの良い青空が広がっていました。 昼前、休憩の順番が来たので、現場から道路を挟んで反対側の公園のベンチに座り、早めの昼食を取っていました。 何気なく現場の方を見ていると、現場の少し先の歩道で、子供がピョンピョンと飛び跳ねて遊んでいるのが見 […]

#闇バイト

埼玉県 アルバイト 大橋 栄斗(20)(仮名) 「#闇バイト」って検索したこと、ありますか? 他にも「#裏バイト」「#受け出し」「#高収入」などなど、怪しいアルバイトの情報は、ちょっと調べれば星の数ほど存在します。 その多くが日払いで、日当も最低2万円。探せば日当5万円の仕事だってあります。 これは僕が「#闇バイト」で仕事を探した時の体験談です。 そのバイトの「詳細」には、こう書いてありました。 お留守番するだけ! 201X年7月11日13時から7月15日12時まで 日当3万円 × 正味4日間 最終日に取っ払いで、合計12万円GET!! 多少遠方でも交通 […]

魑魅(すだま)

岡山県 主婦 藤井 愛(38)(仮名) 私が小学校2年生の時の体験談です。 その頃私は、岡山県の山の中に暮らしていました。 隣の民家まで優に200メートルはあるような、正真正銘の田舎です。 学校に通うのも、行きは下り坂なので40分ほどですが、帰りは登り坂を1時間近くかけて毎日通っていました。 ある日、学校から帰ってきた私は、親戚の家まで、お使いを頼まれました。 その親戚の家は、私の家の裏手から伸びる1本道を、川沿いに20分ほど歩いたところにあります。 秋も深まる頃の夕方、太陽が少しずつ傾き、山の陰に半分ほど隠れると、あたりは一気に暗くなります。 できるだ […]

学校の怪談

東京都 保育士 杉田 恵子(24)(仮名) 皆さんの学校にも、いわゆる「学校の怪談」ってありませんでしたか? 「トイレの花子さん」とか「動き出す理科室の人体模型」とか「夜中に鳴り響く音楽室のピアノ」とか・・・ 子供の想像力って、本当に無限ですよね。 私の通っていた小学校には、「4年生にだけ見える幽霊」という話がありました。 あくまで「ウワサ」でしたので、それが具体的にどんな幽霊なのかは、話す人によってまちまちで、上級生を含め、本当に見たと言う人は、一人もいませんでした。 私が4年生になった時、新学期の初めは「幽霊はいつ、どんな風に見えるのか」と言う話で盛 […]

ウソつきみっちゃん

山梨県 主婦 藤野 伊依(33)(仮名) 私が小学4年生の時、美知子ちゃんという女の子が転校して来ました。 初めのうちは、割と皆んなの中に溶け込んで、私も仲が良かったのですが、しばらくすると、彼女の変わった「癖」のせいで、クラスの皆んなから距離を置かれる様になって来ました。 彼女の「癖」とは、「私には普通の人には見えないものが見えるの」と言うアピールでした。 私の友人は「この世に生まれなかったお兄さんが一緒にいるよ」と言われ、別の友人は「もうすぐお婆ちゃんが病気で死ぬよ」と言われたそうです。 私は「イヨリちゃんの後ろには、耳の無いお坊さんがいて、イヨリち […]