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ケンケンパ

ケンケンパ

東京都 飲食店従業員 Yさん(20代・男性)のソワ〜っとする怖い話

それは、一昨年の夏の話です。

尊敬する先輩に、あるアドバイスをもらいました。

「今の自分の実力よりちょっといい所に住むと、それに合わせて仕事ができるようになるぞ」

それを鵜呑みにした私は、思い切ってちょっと贅沢なマンションに住み替えることにしたんです。

正直、あまり高い場所が得意ではなかったのですが、先輩のアドバイスに従って、都心の風景が見渡せる高層マンションの最上階の物件を契約しました。

そのマンションの最上階の住人は、ほとんどがファミリーで、一人暮らしなのは私だけのようでした。

また、珍しく屋上に出ることができるマンションでしたが、私は最上階なので、わざわざ行かずともほぼ同じ景色が見えますから、ほとんど屋上に上がることはありませんでした。

入居から1年ほど経った頃でした。

数日前から体調が悪かった私は、熱もあったので、しばらく仕事を休んで家で寝ていたのですが、夜になると毎晩、天井からパタパタと音がします。

天井から聞こえるということは、屋上で誰かが音を出しているということになります。

その音は、どこかから響いて聞こえて来るというよりは、まさに今寝ている寝室の真上から聞こえて来ました。

軽い音なので、おそらく子供の足音だろうと思いました。

時間は深夜1時を回っています。

こんな夜中に子供を屋上で遊ばせるなんて、ちょっと非常識な家族が住んでいるんだなと思いました。

タッ・タッ・トン!・・・タッ・タッ・トン!・・・タッ・トン!・タッ・トン!・タッ・タッ・・・・・

何度も何度もその音を聞いていると、何をして遊んでいるのかが、何となくわかって来ました。

タッ・タッ・トン!・・・タッ・タッ・トン!・・・タッ・トン!・タッ・トン!・タッ・タッ・・・・・

その音は、懐かしいケンケンパの音です。

昔はよく、地面に丸を書いて、友達と遊んだものでした。

タッ・タッ・トン!・・・タッ・タッ・トン!・・・タッ・トン!・タッ・トン!・タッ・タッ・・・・・

初めは懐かしさに心も和んでいましたが、何度も何度もその音を聞かされると、少し耳障りになって来ました。

タッ・タッ・トン!・・・タッ・タッ・トン!・・・タッ・トン!・タッ・トン!・タッ・タッ・・・・・

その上、ケンケンパの最後の「トン!」が、毎回抜けていることに気付いてからは何だか余計に気持ちが悪く、体調不良も相まって、次第にイライラが募って来ました。

タッ・タッ・トン!・・・タッ・タッ・トン!・・・タッ・トン!・タッ・トン!・タッ・タッ・・・・・

「チッ!うっせぇなぁ!」

私はついにイライラがピークに達し、その子供に一言注意してやろうと思い、熱でフラつく足取りで屋上に向かいました。

非常階段の手すりに捕まって、ふうふう言いながら屋上の鉄扉を開けると、案の定、小学校低学年くらいの男の子が、ケンケンパで遊んでいました。

「ねぇ、ボク。もう夜だから、ちょっと静かにしてくれないかな」

そう言いかけた時、ちょうどケンケンパの最後の一歩で、その子はヒョイっと鉄柵を飛び越え、屋上の外に飛び出したのです!!

「ウワッ!!マジか!!」

慌てて鉄柵まで駆け寄り、身を乗り出して下を見ると、目も眩むような高さに思わず鉄柵を掴んだまま、その場で腰が抜けたように尻餅をついてしまいました。

すると、子供と思われる顔が、私の肩の上に顎をポンと乗せて、耳元で囁きました。

「ネェ、イッショニアソボウ」

そう声をかけられた瞬間、私は一切後ろを見ることなく、猛ダッシュで自分の部屋に戻りました。

部屋のドアに鍵をかけた時、履いて来たサンダルが片方無いことに気付きましたが、そんなことはどうでもいいことです。

「ピンポーンって来たらどうしよう!」

「ベランダに飛び降りて来たらどうしよう!」

そんなことを考えると、もう気が気でなくなり、その晩は一睡もできませんでした。

翌日、ホームセンターに行き、自腹でデッキブラシを買って来て、屋上に描かれた丸を全て消し、塩を撒きました。

ケンケンパの最後にあるはずの2つの丸は、鉄柵を超えた屋上の向こう側にはみ出していて、地面に描かれてはいませんでした。

それ以来、あの少年は「もうこのマンションには遊んでくれる人がいない」と思ったのか、ケンケンパの音はしなくなりました。

ケンケンパ

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