人形からのメッセージ 【後編】

【人形からのメッセージ 前編】からの続編です。 東京都 会社員 西槇由実(26)(仮名) あの体験から何日か経った頃、久しぶりに母から電話がありました。 他愛もない話に花を咲かせ、そろそろ電話を切ろうかと思った時、ふと気になっていた質問をしてみることにしました。 「ところでお母さん、どうしてあの人形、送ってくれたの?」 すると母は驚いた様子でこう言いました。 […]

人形からのメッセージ 【前編】

東京都 会社員 西槇由実(26)(仮名) 就職を機に上京し、一人暮らしのマンションでの初めての冬が、まもなく終わりを告げようとしていた頃の体験です。 その頃の私は、厳しい社会の洗礼のおかげで、学生気分はとっくに消え失せ、初めて迎える年度末の決算を目前に控え、連日の残業でヘトヘトの毎日を送っていました。 その日、いつものように終電近くの電車で帰ってきた私は、コ […]

怖い話

東京都 接客業 小久保綾子(26)(仮名) 私が以前働いていたお店での体験談です。 前のお店を辞め、このお店に入ってから3ヶ月ほど経ち、少しずつ指名ももらえるようになってきた頃でした。 常連さんの中には、時々変わったお客さんがいて、 「ねぇアイちゃん。なんか怖い話、聞かせてくれない?」 というリクエストが上がることがあります。 「アイ」は私のお店での源氏名で […]

カッちゃん

埼玉県 大学生 木下翔悟(20)(仮名) 小学校1年生から2年生まで、私には大好きな友達がいました。 名前は確か「カツヤ君」で、私は彼を「カッちゃん」と呼び、学校ではもちろん、放課後も近所の公園で待ち合わせをして、暗くなるまで泥んこになって遊ぶ毎日でした。 ところが、3年生になる前の春休み、私の父の転勤で引っ越すことになり、カッちゃんとはそれ以来、一度も合う […]

手話の叫び

千葉県 主婦 山本優香(仮名) 私の娘には、人と少し違う能力があります。 いわゆる「見える」子です。 その事に気づいたのは、娘が幼稚園に通い初めて、まもなくのことでした。 幼稚園では毎日、その日の出来事や必要な伝達事項の確認に、保護者と先生とで連絡帳のやり取りがあります。 ある日の連絡帳に、娘が時々、壁や教室の隅など、誰もいない方に向かって、空想の「お友達」 […]

同窓会の後に

東京都 会社員 石田遼(29)(仮名) 母からの電話で、私が住んでいた村でも少子化が進み、通っていた小学校が廃校になることが決まった、という知らせを聞いたのは、その年の春でした。 戦前から改修を重ね、戦火を逃れ、続いてきた歴史ある小学校です。ましてや母校の廃校となれば、時代の流れとはいえ、何とも切ないものでした。 その年の夏のことです。 私同様「母校廃校」の […]

あおり運転

東京都 会社員 杉山耕一郎(28)(仮名) 大学1年の夏休みの体験談です。 男友達4人で、伊豆にドライブ旅行に行くことになりました。 皆若かったので、夜、海水浴場の駐車場で仮眠を取り、翌日1日海で遊んで帰ってくる予定でした。 私は父の車を借りて、バイト終わりの友人3人をピックアップするため、待ち合わせの場所へ向かいました。 そこにもう彼らが待っていることは、 […]

点滅する光

東京都 会社経営 Sさん(44) 今から4年前の話です。 当時私は、飲食店を経営していたのですが、2店舗目の出店で失敗し、借金を作り、半年ほどの間、ホームレス生活を経験しました。 住む場所を失ってからしばらくは泊まる場所もありましたが、貯金を切り崩しながらの生活は、そう長続きしません。 宿泊場所のホテルはすぐに安宿へとグレードダウンし、さらにサウナから漫画喫 […]

探し物

東京都 会社員 吉田仁美(28)(仮名) 今から2年くらい前の話です。 その日は高校の同窓会があり、久しぶりの旧友との再会で、皆、かなり盛り上がり、帰りの電車は終電ギリギリになってしまいました。 私の家は、最寄りの駅から徒歩20分ほどかかるため、帰りの時間が遅くなると、いつも駅からタクシーを拾って帰っていたのですが、その日はどういうわけか、客待ちのタクシーが […]

秘湯の狸

京都府 無職 和田俊彦(68)(仮名) 私の趣味は秘湯巡りです。 若い頃から温泉が好きで、20代後半からは会社の休日を利用して、月に2回は日本中の温泉に出かけていました。 30代後半になると、その趣味も佳境に入り、普通の温泉では飽き足らなくなり、いわゆる秘湯と呼ばれるような温泉を探して出かけることが多くなりました。 その当時はGPSやインターネットなどない時 […]