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学園祭

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埼玉県 大学生 Aさん(20代・女性)のもう2度としたくない恐怖の体験談

私の通っていた高校は、某大学の附属高校で受験がないため、部活動も体育祭などのイベントも、高校3年生になるまで「みっちり命懸けでやる!」というのが恒例でした。
大学生になってしまうとクラス別の出し物よりは、部活動やゼミ、各サークルごとの参加が多くなるため、特に高校3年生にとっては、クラス別最後のイベントとして、毎年異様な盛り上がりを見せていました。

さて、今年の出し物は何にしようか。

それを決めるプロセスは、ちょっとした喧嘩の要素もありながら、それでもリーダー格の男子の強引なプレゼンテーション(というより屁理屈?)に流され、「超リアルお化け屋敷」を開催することになりました。

「どうせやるなら、お客さんがオシッコちびって泣いて逃げるくらいのクオリティーにしようぜ!!」

まぁ、バカ男子の割には悪くない提案です(か?)。

その日から喧喧諤諤(けんけんがくがく)、ああでもない、こうでもないと、そのプロセスは複雑怪奇な迷宮へ突入しました。

このままでは埒が開かないと悟ったのは、担任の先生でした。

「まずはお化け役とセットの制作側と、担当を分けてから考えたら?」

なるほど。イカの甲より年の功。

早速お化け役チームと制作チームとに担当を分け、それぞれがメイクや小道具、大道具の担当へと細分化されていき、そこからは順調に事が運び始めました。

当日の朝、窓を覆うぶ厚いカーテンで、いつも教室を明るく照らす陽光は完全に遮られ、深い闇となった教室の中は、異様な雰囲気に包まれて、まさに「ちびり、泣き、逃げる」レベルです。うん。いい感じ。

自分たちが作ったものだと分かっていても、できれば一歩も入りたくない、相当なクオリティーに仕上がりました。

するとそこに、普段使っている教室のカーテンに包まれた、棒状のものを持った男子2名が、何やらコソコソと教室の中に入って行きました。

バカ男子です。

彼らは皆一様に、親や先生など、大人たちに叱られることに、強い抵抗力と生命力を発揮します。

また、バカ男子が何か良からぬ事をやらかす時は、ヒソヒソと小声で会話し、背中を丸め、コソコソと行動しますが、大きな物体を持ち運んでしまうなど、完全に矛盾した行為を伴うことで、かえって悪目立ちしてしまうという残念な性質があります。

不穏な空気を察知した者が何人か、ライトを持ってその後を追って中に入ると、ややあってから突然「えーーーーーっ!!」という、悲鳴に近い驚嘆の声が上がりました。

私たちもすぐさま現場に急行すると、数人で何やら揉めているようです。

事情を聞けば、先に入った男子が持っていた棒状のものは、近所のお墓からチョイと拝借した本物の卒塔婆だというのです!!

まずい!これはマズイ!!

そこにいた全員がそう感じましたが、借りてきた、というより盗んできた男子はあっけらかんとしたもので、「使い終わったらちゃんと返すから」と言って引きません。

「昨日の夜中に、必死に怖いの我慢して借りに行ったんだよ〜。第一、こんな昼間に返しに行ったら目立っちゃって、それこそバレるだろう。今日終わったら夜ちゃんと元の場所に返すから!ねっ!」

「ねっ!」じゃねぇよ。その場にいた誰もがそう思いました。

そもそもこんなもの、借りたり返したりする性質のモノではないハズです。

ただ、バカ男子たちの言う通り、この真っ昼間に返しに行っても、良くない事が起きそうな気しかしません。

結局、今日だけはこのまま行こう!と言うクラスの総意に達し、”お借りした”卒塔婆は、せっかくなのでそれっぽく、お墓のセットの後ろに立てておきました。

そんなハプニングもありながら、我がクラスのお化け屋敷は盛況で、本当に泣きながら出てくる生徒や、悲鳴をあげながら教室から転がり出た強面の誰かのお父さんまでいたほど、大成功の内に初日が終了しました。(誰のお父さんだったかは後日判明しました)

校舎の出入り口には、一番頑張ったクラスを表彰するためのアンケート用紙と投票箱が設置されていて、生徒や保護者、参加してくれた近隣の皆さんや他校の生徒さんに記入していただいた結果を元に、優秀賞が決まる仕組みです。

初日のアンケート結果を見ると、我がクラスへの投票が圧倒的に多く、その感想をみんなで折り重なるようにして確認しました。

「お墓のセットの横にいたお婆さん役の生徒は、どうやって宙に浮いていたのか不思議だった」

「お墓の横のお婆さんがうっすら透けていたのには驚いた。ホログラム?」

「お墓の横に立っていたお婆さん役の『返せぇ!返せぇ!!』は迫真の演技で本当に怖かった」

「お墓のお婆さんがふわっと出たり、ふわっと消えたりするのはどうやってるの?」

・・・そんな役の子はいませんでした・・・

その後、バカ男子2人はさらに数人の味方を従えて、お詫びの花を買って、慌てて卒塔婆を返しに行きました。

皆さんも、どこのクラスにも2人は存在するバカ男子には、十分ご注意ください。

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