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奇跡

  • 2021年4月22日
  • 2021年4月22日

山小屋の怪

東京都 会社員 河本将暉(46) それは3年前の秋、趣味の山登りでS県とG県の県境にある山を登っていたときの出来事です。 紅葉の季節も過ぎ、本格的な冬を迎えるこの時期は、他の登山者も少なく、山を独り占めできるので、一人登山が好きな私には絶好のシーズンです。 何日も前から天気予報を頻繁に確認し、ちょっとした予報の変化にも留意していたのですが、いざ当日になり山を登ると、中腹を過ぎたあたりで、予報に反して雪が降り始めました。 山の天気は変わりやすく、予想や予報通りというわけに行かないことは、百も承知です。 万が一のために準備していたスノースパイク(靴に付ける滑 […]

  • 2019年10月3日
  • 2020年12月7日

怖い夢の話

M県 大学院生 結城美穂(22)(仮名) 当時、中学2年生で卒業準備委員だった私は、3年生の卒業式を翌週に控え、その準備に忙しい日々を送っていました。 お世話になった先輩たちに、少しでも喜んでもらえるよう、朝は早目に登校して、夕方は暗くなるまで頑張っていました。 連日の作業で疲れが溜まっていたのでしょうか、卒業式本番の5日前の日曜の夜、とてもリアルで、恐ろしい夢を見ました。 夢の中の私は、いつものように卒業式の準備のため、少し早起きして朝食のシリアルを手に取ろうとしたのですが、上手く取れません。 「あれ? おかしいな?」 そこで自分の手をみると、左右の腕 […]

  • 2019年9月1日
  • 2020年12月7日

カッちゃん

埼玉県 大学生 木下翔悟(20)(仮名) 小学校1年生から2年生まで、私には大好きな友達がいました。 名前は確か「カツヤ君」で、私は彼を「カッちゃん」と呼び、学校ではもちろん、放課後も近所の公園で待ち合わせをして、暗くなるまで泥んこになって遊ぶ毎日でした。 ところが、3年生になる前の春休み、私の父の転勤で引っ越すことになり、カッちゃんとはそれ以来、一度も合うことはありませんでした。 それから5年の歳月が流れ、中学2年生の冬休みになった時の事です。 夢の中に突然、カッちゃんが出てきました。 今でもハッキリと覚えているほど、とてもリアルな夢でした。 久しぶり […]

  • 2016年9月11日
  • 2020年12月7日

七五三

千葉県 主婦 田中なみ(36)(仮名) 結婚して間もない頃、主人の父が亡くなったことをきっかけに、主人の母と同居することになりました。 正直、初めは少し不安でしたが、いわゆる嫁と姑の確執もなく、むしろ、早くに実の母を亡くした私の方が、義母のことを本当の母のように慕っていたくらいでした。 それから数年後、私は待望の女の子を授かりました。 娘の「沙希」という名前は義母がつけてくれたもので、私もこの名前の字と響きが気に入っていました。 義母は娘を可愛がり、目の中に入れても痛くないという例え話は本当なんだと思うほど、娘を溺愛しました。 その娘が2歳になったばかり […]

  • 2016年9月9日
  • 2020年12月7日

真の経営者

栃木県 会社員 早川信治(45)(仮名) かれこれ20年以上も前の、就職活動の時の話です。 当時は今よりもずっと早い時期に、就職活動が始まっていました。 大学3年生の冬、大手メーカーの書類選考と筆記試験で奇跡的に残った私は、一次面接のため、本社の面接会場にいました。 バブル景気などとっくの昔にはじけていた当時は、いわゆる就職氷河期の始まりとも呼ばれる時代でした。 ましてや中堅とも言われない大学で、成績も中の中程度の私が、大手企業の一次面接にまでたどり着けるのは、奇跡と言っても過言ではありませんでした。 その面接会場で、偶然、高校時代の友人であるY君と再開 […]

  • 2016年9月8日
  • 2020年12月7日

生存率

栃木県 会社員 恩田隼人(54)(仮名) 「ステージ4ですね。5年生存率は5%ほどです。」 医者に事務的に告げられたのは、42歳の春でした。 忙しさを理由に、のらりくらりと健康診断をサボってきた私は、去年の冬、とうとう会社の上司に叱責され、イヤイヤ検診を受けたのですが、異常が認められたため、再検査となったのです。 様々な精密検査の後、待っていたのは、まさかの胆管ガンという診断と、「5%」という、虚しい数字でした。 「なんで俺が? 仕事も家庭も順調だった。自分で言うのもなんだけど、他人には優しく接してきたし、子供が出来てすぐにタバコもやめた。その俺が一体何 […]