談笑中、私は先日の息子の歌のことを思い出し、撮影した動画をママ友の2人に見せると、
Yさん:「あー、これウチの子も歌ってる!」
私:「保育園で習ったのかな? こんな歌知ってる?」
Fさん:「えー知らなーい。 何て歌だろうね?」
その日は子供たちの歌ネタで、話も盛り上がりました。
それからまた何日か経ったある日のこと、偶然お迎えの時間が一緒になったFさんが、例の歌について、こんな事を言いました。
Fさん:「ねー、あの歌さぁ、何かおかしくない?」
私:「歌が? なんか変?」
Fさん:「私、あのあと気になって、娘の歌、よーく聞いてみたのよ。そしたらね、『ヘイタイさんのおかげですー ヘイタイさんよありがとうー』なんて歌ってるんだよ!」
Fさんの娘さんは、女の子で月齢も上なので、ウチの子よりも言葉が達者で、滑舌もしっかりしています。
私:「えー、ほんとに? 今どきそんな歌、保育園で習うの?」
そこですぐにFさんと一緒に、歌のことについて保育園の先生に聞いてみたのですが、そんな歌は知らないし、もちろん教えてもいないということでした。
私は「子供って不思議だなぁ」と思いながら、息子を自転車に乗せ、Fさんと家路につきました。
Fさんと別れ、家に入り、買い物袋の中身をキッチンで整理していると、また息子があの歌を歌い始めました。
「へーたぃしゃんのぉーあにまとおー へーたぃしゃんにょぉーあにまとおー」
耳を済ませてよくよく聞いてみると、確かに「ヘイタイサン? アリガトウ?」と言っているように聞こえます。
夜になって息子が寝た後、その歌の歌詞をネットで調べてみると、戦時中に歌われていた「兵隊さんよありがとう」と言う歌だということが分かりました。
「兵隊さんよありがとう」
作詞:橋本善三郎 作曲:佐々木すぐる
1) 肩を並べて兄さんと 今日も学校へ行けるのは
兵隊さんのおかげです お国のために
お国のために 戦った 兵隊さんのおかげです2) 夕べ楽しいご飯どき 家内そろって 語るのも
兵隊さんのおかげです お国のために
お国のために 傷ついた 兵隊さんのおかげです3) 寂しいけれど 母さまと 今日もまぶかに眠るのも
兵隊さんのおかげです お国のために
お国のために戦死した 兵隊さんのおかげです兵隊さんよありがとう 兵隊さんよありがとう
その週末、Fさんの家で、定例のママ会が開かれました。
仕事の都合で久しぶりに会った3人の話題は、自然とあの歌のことになりました。