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公園の女の子2

公園の女の子2

千葉県 大学生 坂上 修司(18)(仮名)

これは、今年の夏に経験した、僕の不思議な体験談です。

大学が夏休みに入ってすぐ、僕は警備のアルバイトを始めました。

2日ほどの簡単な研修を受け、その翌日から早速、県内のアパート建設現場の警備に行くことになりました。

警備と言っても、住宅街の一角に建設中のアパートの前に立ち、通行人に口先だけの注意を促す、簡単な仕事です。

朝8時から1時間の休憩を挟んで夕方5時まで。
直行直帰で交通費ももらえて日当1万2千円は、人とのコミュニケーションがあまり得意でない僕にとって、ありがたいバイトでした。

昼休みになり、近くのコンビニで弁当と飲み物を買い、現場の斜め向かいの公園で昼食を取ることにしました。

真ん中には大きな木が1本だけ立っていて、遊具もなく、手洗いと水飲み用の水道とベンチがあるだけの、寂しい公園です。

ベンチに座り、弁当を食べていると、反対側の花壇の縁に、小学2、3年生位の女の子が、一人で座っているのが見えました。

おかっぱ頭に白い襟付きの長袖シャツ、赤い肩ベルト付きのスカートで、アニメの「ちび◯子ちゃん」のような服装が印象的でした。

それにしても、小学校の夏休みはまだ、もう少し先のはずです。

「あれ? 平日のこんな時間に、学校は休みなのか?」

そんなことをぼんやりと考えていると、その子と一瞬目が合いました。

正直、人と話すのが苦手な僕は、子供はもっと苦手なので、すぐに目をそらしたのですが、視界の端の女の子は、何となくこっちを見ているように感じました。

気付かないふりをしながら弁当を食べ終え、30分ほど残っている昼休みをスマホでもいじりながら過ごそうかと思っていると、突然、僕の真後ろから

「ねぇ、お花好き?」

と女の子に声をかけられ、飛び上がりそうになるほど驚きました。

「うわ! 何だこの子!? いつの間にここにいたんだ?」

言葉には出しませんでしたが、心臓と食べたものが、口から飛び出しそうになったのを悟られないように、平静を装い、答えました。

「う、うーん。 そんなに好きじゃないかな?」

子供が苦手な僕は、そう言えばこれ以上関わってこないだろうと思い、そう答えたのです。

するとその女の子は、少し怒ったような声と表情で

「・・・ああ、そう!」

と言いながら、持っていた花を、両手でぐちゃぐちゃに潰して投げ捨てたかと思うと、公園から走り去っていきました。

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この怪談を書いた人

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