東京都 福本遼太郎さん(30代・会社員)の恐怖体験談
確か、2020年の秋頃のことでした。
会社の仕事が、全てリモートワークに切り替わった時期です。
どうやら近隣の小学校も休校になっていたらしく、隣に住む小学生の兄弟が、朝っぱらから家の外で奇声をあげて遊ぶ声が、毎日のように響いていました。
しばらくは、その声がうるさくて仕方ありませんでした。全く仕事に集中できず、イライラする日が続いていたんです。
その日も、外はいつも通り騒がしいはずでした。
でも、いつの間にか。
プツンと、何も聞こえなくなっていました。
自分でも、息をしていたかどうか怪しいくらいの集中力でした。気がつけば、私はただひたすら、目の前の仕事に没頭していたんです。
昼食を取ることさえ忘れていました。外が暗くなっても、部屋の電気を点けることさえ忘れていました。
ふと我に返ると、時計は夜の九時を回っていました。
異常なほど捗った仕事の成果を見直しながら、私は静かな達成感に浸っていました。
そのときです。
バッテリーが切れたのか、ノートパソコンのモニターが、突然、真っ黒な画面に変わりました。
画面には、自分の姿がぼんやりと反射して映っています。
――よく見ると。
私の真後ろに、知らない女が立っていました。
ニヤニヤと、薄気味悪い笑みを浮かべながら。
両手で、私の耳を塞いでいました。
私は、気付いていないふりをしました。
そっとパソコンを閉じ、充電器とスマホをカバンに入れます。
平静を装ったまま、部屋の外に逃げ出しました。
それ以来、怖くて自宅に戻れていません。
今日で、漫画喫茶三泊目です。
私は一体、どうしたらいいんでしょうか。


