東京都 福島ゆうみさん(20代・会社員)の恐怖体験談(続編)
*<人形からのメッセージ【前編】>からの続きです。
あの人形のことがあってから、しばらく経った頃のことです。
実家の母から、久しぶりに電話がかかってきました。
最初は他愛もない世間話です。
最近どう、体調はどう、そんなやり取りを続けているうちに、そろそろ切ろうかという空気になりました。
そこでふと、ずっと引っかかっていたことを聞いてみることにしたんです。
「ところでお母さん、どうしてあの人形、送ってくれたの?」
軽いつもりの質問でした。
でも、母の反応は予想と違いました。
「どうしてって……」
一瞬、言葉に詰まったような間があって。
「あなたから急に、夜中に電話がかかってきたじゃない。『どうしてもあの人形を送って欲しい』って。
あんな時間に、しかも暗〜い声で急に変なこと言うから……お母さん本当にびっくりして。
ずっと心配してたのよ、実は。
あんまり根掘り葉掘り聞くのも良くないと思って、今まで黙ってたんだけど……
あなた、それ覚えてないの? 大丈夫?」
……覚えてない……
そんな電話をかけた記憶が、私にはまったくありませんでした。
電話を切ってから、すぐにスマホの発信履歴を開きました。
母の言う夜中の時間帯、そこに発信の記録はありません。
念のため、前後の日付もひとつずつ確認しました。
電話はもちろん、メールにも、そんなことを頼んだ形跡は一切なかったんです。
母をこれ以上不安にさせたくなくて、そのことにはあえて触れませんでした。
でも、疑問だけがずっと残っています。
あの夜、母に電話をかけたのは、一体誰だったのでしょうか。
そんなことをして、得をする者がいるとしたら――
それが何なのか、あまり深くは考えないほうがいいのかもしれません。


